- 2009-04-01 (水)
皆さん、こんにちは。こちらでは桜が満開ですが、日本ではどうでしょうか?
桜といってもロサンゼルスの桜は『ピンククラウド』という種で、こちらの気候風土に合うようにと、日本の方が改良に改良を重ねてつくられた苦心の作だと聞いています。少し日本の桜とは風情が異なるかもしれませんが、やはり美しいですね。

さて、今回も『ウエストサイドストーリー』の撮影にまつわる話を続けることにしましょう。

ニューヨークでプロローグのシーンを撮影していた時のことです。
あまりに暑い日が続いていて、出演者全員少しバテぎみだったので、雨が降れば撮影が中止になるかもしれない、と誰かが言いだし、幾人かの出演者がふざけて『雨乞い』のダンスをしたのです。
すると翌日、本当に雨が降り、撮影が中止になってしまいました。もちろん単なる偶然ですが、それ以来『雨乞いダンス禁止令』がワイズ、ロビンス両監督から出されてしまいました。

ロサンゼルスの撮影スタジオへ戻ると、ボリス・レヴィンによる素晴らしいセットが私たちを待ち受けていました。セットの細部にまで気を配り、画面には映らないような位置のディテールにまで細心の留意が払われているようでした。それは、皆が驚きの色を隠せないほどの出来栄えで、完璧をめざす彼のアーチストとしてのこだわりが見てとれるようでした。
ある日のこと、リタ・モレノが遠景の窓辺に置いてある白い子供靴を発見しました。その窓の住人が、汚れた子供の靴を洗って干していることを想定しての演出だと思いますが、生活感をよりリアルに出すための小道具だったのでしょう...見事です。

もうひとりの完璧主義者ジェローム・ロビンス氏については前回も触れたと思いますが、加えて彼は真の天才でもあったと思います。
その天才肌的な完全主義者ぶりは時として、出演者やプロデューサー達に「気難し屋」の印象を与えてしまったようですが、ロビンス氏なくしては、『ウエストサイドストーリー』の芸術的完成度の高さとその興行的成功はあり得なかったのではないでしょうか。
言ってみれば、ロビンス氏の存在そしてその才能が映画『ウエストサイドストーリー』の核をなしていると、私は思っています。そんな偉大な天才振付師のもとで仕事ができたことの幸運を、私はいつも感じてきました。

ロビンス氏はさらに映画だけではなく、ロンドン公演の時も終始ジェット団とシャーク団のライバル意識を高めるよう、リハーサル中から緊張感を煽っていました。お陰で私たちは毎日,どうしたら相手に張り合えるかばかりを考えていたように思います。
そんなある日、シャーク団のチル役アンドレ・ティアーが、黒いレザーのリストバンドをしてリハーサルにやって来たのです。それはとてもクールで良いアイデアだと皆の意見が一致し、翌日には全員がお揃いのリストバンドをして、撮影に臨みました。その時のジェット団の驚きようといったら・・・衣装担当のアイリーン・シャリフもそのリストバンドが大変気に入ってしまい、結局本番でも採用されることになったのです。
そしてその後はご存知のように、そのシャーク団への深い思い入れを表現したリストバンドは、いわゆるシャーク団のトレードマークとなったのです。最新の舞台版『ウエストサイドストーリー』でも、シャーク団のメンバー全員が同じリストバンドを着けているようです。
ところで、近いうちにこのリストバンドをデザインし直して、私のコレクションの一部に付け加える予定です。皆さん、是非楽しみに待っていてください。

前回からだいぶ間があいてしまい、申し訳ありませんでした。
また何か思いついたことがありましたら、すぐにブログに書くことにします。
では,ごきげんよう。
翻訳【H・SANO】
- Newer: 4月の祭事と催事
- Older: 『ウエスト・サイド・ストーリー』と私~パート3
Comment:0
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://george-chakiris.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/75
- Listed below are links to weblogs that reference
- 『ウエスト・サイド・ストーリー』と私~パート4 from George Chakiris Blog